高齢者見守り

島根県 奥出雲町 様

独居高齢者の生活シーンをバックアップ

　奥出雲町では、町内全域に敷設された光ファイバー網を活用し、独り暮らしの高齢者等を対象に操作が簡単で高画質の多機能テレビ電話端末「万事万端」が設置されました。コールセンタを中核として、様々な支援者が集い、従来家族が担ってきた生活支援機能を地域全体でカバーし、日常的な高齢者見守り、健康管理、買物支援等を充実させ、明るく元気なお年寄を増やす高齢者支援ネットワークが運用されています。また、地域外に在住の家族向けには、テレビ電話での通話はもとより、安否確認のメール送信機能やデジタル写真立て機能を提供して、支援の輪に加わってもらっています。

• 地域見守り
  テレビ電話を活用して、コールセンタおよび民生委員が高齢者への声かけを行っています。 高齢者の方でも簡単に、ワンタッチでコールセンタを呼び出すことができ、公共施設別、地区別、50音順別と用途に応じた検索ができるテレビ電話帳からも、ワンタッチでテレビ電話をかけることができます。

  コールセンタとの会話風景

• ヘルスケア
  テレビ電話に接続した血圧計で血圧を測り、テレビ電話端末経由でサーバへデータを送信します。送信された履歴データは、テレビ電話端末でグラフ表示等ができます。同じデータを健康相談する保健師さんも見ることができ、情報を共有化することにより、適切なアドバイスを受けることができます。

  血圧測定中

• 生活支援
  テレビ電話端末を利用して、地域の商店で買物をすることができます。店舗へはワンタッチでテレビ電話をかけることもでき、テレビ電話の映像を通じて、購入したい商品の確認等ができます。 コールセンタからは、文字告知機能で、各家庭のテレビ電話端末に生活情報を送信することができるので、テレビ電話端末を通じて地域に密着した情報を得ることができます。また、ごみ収集の情報や、バスの時刻表も見ることができるので、生活に必要な情報をテレビ電話端末を通じて手に入れることができます。
• デジタル写真立てと域外家族参画システム
  高齢者のご家族の方にも“支援の輪”に加わってもらえるように、テレビ電話端末に、デジタルフォトフレームの機能を実現しました。テレビ電話による通話はもとより、デジタルフォトの登録機能に加え、安否確認メッセージにタッチした履歴の表示やふるさと情報の取得を簡単に行うことができます。
• 安否確認
  テレビ電話端末を利用して、安否確認が行えます。朝、定時になるとテレビ電話端末に安否確認メッセージが表示されます。その画面にタッチすると、登録されたメールアドレスにメールが送信されます。毎朝、元気に画面にタッチしていることがメールで確認できるので、離れて暮らす家族も安心です。一方、コールセンタでは、高齢者がタッチした安否情報を収集することができます。

　※島根県奥出雲町役場のホームページへ

福岡県久留米市 寺子屋工房 様

テレビ電話でお便り（声がけ）サービス

　身体障がい者の就労訓練を行う社会福祉法人 寺子屋工房では、厚生労働省「平成２０年度社会福祉推進事業」採択を受け、「お便りサービス」事業を始めました。この事業は原則として身体障がい者が平日に一回、地元とその周辺に住む一人暮らしの高齢者のお宅にテレビ電話をかけて安否確認を行い、話し相手になるというものです。その他にも、テレビ電話に接続した在宅健康監視装置を使って、血圧と心電図を測定し、テレビ電話端末経由でサーバへデータを送ります。送られたデータは、テレビ電話端末で、グラフなどの形式で表示することができます。また、健康相談を実施する医療機関でも同じデータを見ることができるので、データを基に適切なアドバイスを受けることができます。

在宅健康監視装置 心電図測定中

心電図 血圧グラフ

高齢者居宅安定化事業

岡山県 笠岡第一病院 様

自活を求める高齢者をフォロー

　笠岡第一病院では、国土交通省「平成２１年度高齢者居住安定化モデル事業」の採択を受け、先導的な高齢者専用賃貸住宅の整備を行いました。高齢者集合住宅の各戸と病院にテレビ電話端末を設置。病院から離れた場所に位置する高齢者集合住宅の各戸からは、テレビ電話でいつでも病院の受付へ相談や緊急通報を行うことができます。平時は、バイタルセンサーにより測定されたデータの履歴情報を基に、健康管理を行うことができます。

遠隔医療

岡山県 新見市 様

テレビ電話を活用した遠隔医療

合併によって広大な市域となった岡山県新見市では、集落が点在し、高齢化も進展しています。にもかかわらず、医療機関は市の中心地に集中するため、高齢者にとって通院診療には限界があり、加えて、専門医不足も著しいために、在宅療養者への効率的で効果的な遠隔対応が求められているのが現状です。この問題を解決すべく、テレビ電話を活用した遠隔医療の実証事業が行われています。 　新見市市内の病院、診療所及び介護施設にテレビ電話端末を設置、在宅訪問看護師が、テレビ電話端末をアタッシュケースに埋め込み持ち運び可能とした端末（医心伝信）を患者宅に持ち込みます。患者宅でインターネット回線に接続し、病院及び診療所にいる医師とテレビ電話をつなぎ、医師からの指示を遠隔で仰ぎながら必要な措置を行っています。

持ち運び可能な端末（医心伝信）

• 遠隔在宅医療支援（遠隔診療、看護師への指示）
  訪問先と市内の医療施設をテレビ電話でつなぎ、テレビ電話を介して看護師に指示を行いながら診療を進めます。

  遠隔診療風景

• ドクター間のコミュニケーションツール
  専門医にアドバイスを受ける時などテレビ電話を通してカルテやレントゲン写真などの映像をやりとり、双方で確認しながら状況確認や意思疎通を行います。

手話コミュニケーション

島根県 松江市 様

テレビ電話を活用した手話コミュニケーション

　島根県松江市では、市役所障害者福祉課と松江市立病院にテレビ電話端末を設置しました。これまで、手話通訳者が定期もしくは依頼により私立病院を訪問し、聴覚障がい者の問診を支援していましたが、テレビ電話の導入により、テレビ電話を通していつでも容易に手話通訳ができるようになりました。これにより、聴覚障がい者、手話通訳者ともに負荷が大きく減りました。また、松江市では、「日用生活用具給付制度」が適用され、テレビ電話端末購入の補助を受ける事が可能となっています。

　テレビ電話端末に汎用の福祉機器などの外部デバイスを接続することにより、機能性を高めることができます。

• 電話の着信を光で知らせる機器（ストロボリンガー）との接続
  テレビ電話端末と電話機の間に接続し、電話の着信をストロボ発光で通知します。

  ストロボリンガー

• 骨伝導電話機との接続
  電話機として、骨伝導振動部をこめかみに当てて骨の振動で音声を明瞭に伝える福祉機器｢骨伝導電話機｣を接続すれば、高齢者や難聴者も利用可能なテレビ電話端末となります。